映画日記「思い出の映画日記(邦画編)2001~」

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七色に変化するカメレオンのように、ブログで様々な色を出していこうという意気込みでブログを続けるカメレオンブロガー2754です。

もう10年以上も前になってしまうのですが、
実は私、20代の頃は映画が大好きで、映画館、レンタル含め毎日のように映画を観ては
SNSで映画日記をアップするというような作業を繰り返していました。
コロナウイルスの感染拡大により大都市圏を中心に自粛要請も出ておりますし、
こういう機に映画を・・という情熱を蘇らせようと考えました。
そんなわけでものすごい数のストックがあるので比較的短くまとまった日記を多少の文章校正等を施し、
まとめてブログにしようと思います。
こういうの記録に残して見返すのも面白いですね。。。

今回は2001~2010年頃に公開された邦画の作品を集めています。
それほどネタバレしていないので面白そう!と思ったら観てほしいです。
(当時、TSUTAYAの回し者と言われてましたw)

白夜行

2011年1月29日 監督:深川栄洋 キャスト:堀北真希、高良健吾

「あたしの上には太陽なんかなかった。いつも夜。でも暗くはなかった。太陽に代わるものがあったから。」

その時そこで何が起こったのか?
そんなことは問題ではない。
その時そこで何を感じ何を考え何を思ったのか?

答えを求めた僕は傲慢であったと認めざるを得ない。

妻夫木聡や深津絵里がむきだしの演技で挑んだ『悪人』のような作品を望んだのか?
とんでもない。
やはり悪人は悪人であり、悪を徹底する姿からカタルシスを見出す『白夜行』こそが真打ちなのだ。
抑揚のない演技に終始する堀北真希と高良健吾。
『悪人』が売りとしているような迫真の演技は『白夜行』では御法度なのだ。
淡々とした振舞い、淡々と経過する時間から痛切に苦悩が浮かび上がってくる。

「あたしはその光によって、夜を昼と思って生きてくることができたの。わかるわね。あたしには最初から太陽なんかなかった。だから失う恐怖もないの。」

船越英一郎は何を感じ何を思ったのか?
彼がその目、その耳、その足で追い続け築き上げた答えこそが『白夜行』の軌跡…

空と君とのあいだには今日も冷たい雨が降る
君が笑ってくれるなら僕は悪にでもなる
(作詞:中島みゆき)

★★★☆

TSUTAYA   Amazon

ノルウェイの森

2010年12月11日公開 監督:トラン・アン・ユン キャスト:松山ケンイチ、菊池凛子

日本で一番の有名な小説家であろう村上春樹の代表作。
この奇妙な恋愛小説が爆発的なヒットを飛ばしてしまった事実が恐ろしい。
とにかく手当たり次第に女と寝まくる男がいて、その周りで次々と命散るとんでもない話。
いや、大雑把に説明してしまうとこうなるんです(笑)
この『ノルウェイの森』が代表作として世間に認知されてしまった村上春樹はある意味悲劇の人かもしれません。

独特なタッチで変質的に映画で語りかけてくるトラン・アン・ユン。
偉大な日本の恋愛小説を神秘に表現できる監督として選ばれし者。

露骨に現実世界と異世界(?)を行き来するのは村上春樹の真骨頂なのはわかる。
死の領域に足を踏み入れつつある異世界的な直子。
性として生きてる心地に包み込む現実世界的な緑。
2人のヒロインの間に揺れるワタナベ。
つまり異世界と現実世界のコントラストの描写が映画の骨格となるのは間違いない。

トラン・アン・ユンには得意分野なのでは?と期待が高まる。
だがしかし…
それなのに…
なぜ?

原作の雰囲気を大切に小説っぽく詩的な感じはわかる。
しかしなぜ?
前述したコントラストが成されていない気がしてならない。

菊地凛子の感情的な芝居は見事だが、はっきり言って「私、頑張って演じてます」感が強く見えて口説い!
逆に演技経験の浅いモデル出身の水原希子は抑揚がなく一本調子。
これは個人的な意見だが、配役が逆の方がコントラストとして明確に出てよかったのではないかと…

とにかく一貫した描写に退屈してしまった。
けどこれって観る側の押し付けでもある気がして痛烈には批判したくないのだが…

とにかく残念!
個人的に残念!
けど駄作と言い切っていいの?
評価も難しい。

性欲をここまで神々しく描けてしまうトラン・アン・ユンの才能には脱帽させられたのも実感なのだ。
人間が再生するための一種の治療なのかな。

★★

TSUTAYA   Amazon

十三人の刺客

2010年9月25日公開 監督:三池崇 キャスト:役所広司、山田孝之

容赦ない大胆な暴力演出に時折見せるシュールなギャグ。
これぞ三池崇史の真骨頂。
男向けで男らしい男のための映画。

暗殺部隊の精鋭13人と将軍を防衛する凄腕武士たちが力を尽くし戦い合う。

それにしたっていくら何でも主要キャラに13人は多すぎる。
『9SOULS』や『陰日向に咲く』なんかでも2時間の尺で9人は多すぎるって思いましたが、それにも増して13人である。
いかに尺を長く取っても工夫を施しても13人はさすがに細部まで十分に描けない。

三池崇史はそれでも登場人物をいかに魅力的に見せるかにこだわる監督だ。
役所広司に山田孝之はもちろんだが、剣技が冴える伊原剛やら貫禄ありすぎの松方弘樹、そして何より野生味溢れまくる伊勢谷友介があまりに魅力的。
ギャグの許されない役どころが多い中、はじけまくる伊勢谷友介が実に良いスパイスとなっている。
また、どうしようもない極悪人役を稲垣吾郎が演じたが、これが怖いくらい板についており、この悪態っぷりが己の正義を貫く男たちの真剣勝負をより際立たせる。

いかに侍であろうとも時代劇なんて言葉は古い。
時代劇が『クローズZERO』になっちゃったっていいじゃない。
これは喧嘩だ。
真剣勝負だ。
時代劇としての立ち振る舞い、そこに美を求める者もいるだろう。
しかしその根本は古今関係なく大和魂であり、最後まで信念を貫こうとする姿には心を燃え上がらせられる。

「斬って斬って斬りまくれ!」

手に汗握るド迫力チャンバラ合戦。
侍の生き様はいかに死ぬかである。
時代は流れ、それを馬鹿げていると笑うのも間違いじゃないだろう。
しかし信念を貫く侍の美学は後世に受け継がれるべき遺産であることも間違いない。

★★★

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カラフル

2010年8月21日公開 監督:原恵一

「きれいなものが好きなのに、すごく好きなのに、時々壊したくなる…」

過ちを犯さずに生きている人間なんてきっといないだろう。
誰もが失敗を繰り返しながら生きていることだろう。
無抵抗な弱者に対して酷い態度を取り、自己嫌悪に陥る。
人の優しさに触れ、涙がこぼれる。

人って自分の中の黒い部分を人に言うことができずに隠すのだろう。
その黒い部分が強くなればなるほど、ふと自分自身が恐くなったり、恥ずかしくなったりするのだろう。
打ち明けられない葛藤に押しつぶされそうになる人もいるかもしれない。
自分の性格をひもといてみても、あまりに複雑すぎて一体自分は何なのかよくわからなくなる。
自分はおかしいと思うかもしれない。
でもそれはおかしくも何ともなくてそう思うことも普通なんだと思う。

人の心は黒い部分もあれば白い部分もある。
黒い部分だけでもないし、白い部分だけでもない。
黒も白も、他の様々な色も含め、人はカラフルなのだ。
だから人生は豊かであり、生きることで多様な人間性を発揮し発見できるのだ。

色は無限に存在するだろう。
受け入れよう。
僕が僕であるために!

★★★★

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ディア・ドクター

2009年6月27日公開 監督:西川美和 キャスト:笑福亭鶴瓶、瑛太

どんな人間にだって善と悪は存在する。
その時、その人、その状況で、人は善人にもなり悪人にもなる。

人間がつく嘘だって悪だけではない。

「その嘘は、罪ですか」
罪だというなら、その罪を犯した人は悪人ですか。
そうではない、というなら、その嘘を何と呼びますか。
その嘘をついた人を、貴方はどうしますか。

優しい嘘が誰かを追い詰め傷つけることもある。
自分を守るためについた嘘が、誰かを救い喜ばせることもある。
そんなことはここでいちいち語らなくても誰もが知っていることだろう。

結局善悪とは、人の意志に準ずるものではなく、結果としてついてくるものなのだ。

人間は善人でも悪人でもなく、ただの人なのだ。
善悪は自分が勝手に思うことであり、他人に勝手に決められること。

笑福亭鶴瓶の人のよさそうな笑顔の裏に感じる悪寒…
この矛盾こそがこの物語の象徴。

「娘を騙すのは、あの子の人生を否定しているのと同じことですから」

「あの先生なら、どんな風に母を見届けたのかな?」

この違和感はなんだ?

「伊野を本物に仕立て上げたのは、あんたらの方じゃないのか」

錯覚などではない!
きっとそれは正しいのだ。

★★★★

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重力ピエロ

2009年5月23日公開 監督:森淳一 キャスト:加瀬亮、岡田将生

最強の家族。
兄貴を慕う弟。
包み込む父。
亡き母への思い。
語れなかった真実。
母に突き付ける地獄。
そこにいる父。

謎掛けされたピース。
繋がる。
ひとつひとつ丁寧に。
不思議な少女。
不吉なパズル。

惨劇!!

炎の中に佇む青年。
いや、少年なのかもしれない。
超えなきゃならない壁。
あまりにも高い壁。
ぶち壊すしかなかった。

レイプ犯の子供と分かっていながら産もうという決意、許せますか?
命は崇高なものである。
どう捉える?

「本当に深刻なことは陽気に伝えるべきなんだ。」
彼らはこれに象徴されるかのように真意を隠す。
そしてこれに象徴されるかのように、ピエロのように笑顔を作る。

「春が2階から落ちてきた」?

伊坂さん甘いよ。
話は大袈裟に作らなきゃ。

「春が10階から落ちてきた」

うん、さすがオレ!
この一行で物語も終了だな(笑)

★★★

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フィッシュストーリー

2009年3月20日公開 監督:中村義洋 キャスト:伊藤淳史、高良健吾

時を越え未来に!
どこかで誰かにつながってる。

宝の地図に示されない宝もいつか誰かが何かをきっかけに掘り起こす。

ほんの小さな勇気かもしれない。
けどそれは「世界を救う」ことだってあるかもしれない。

実に爽快!
奇跡は起きる。

しかしこれはパンク!
まさか高良健吾の歌声に惚れちまうなんて…
パンクだからしょーがない。

★★★☆

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ジェネラル・ルージュの凱旋

2009年3月7日公開 監督:中村義洋 キャスト:竹内結子、阿部寛

ご存知『チーム・バチスタの栄光』の続編。
そこで僕は医者という職業の崇高な想いを深く知ることになる。

中村監督の作品はキャラクターが明快だ。
このキャラクターはこうで、このキャラクターはこうだ!
といった感じで迷いがなくダイナミック。
たとえストーリー構成に緩い部分があったとしても、この極端でわかりやすいキャラの魅力はそれを上回って楽しませる。

とにかく堺雅人!
こいつがとてつもなくすごい。
持ち味すべてが役に投じられているような…
堺雅人が出ているだけで作品の評価が高まってしまうようにすら感じてしまった。
少なくともこの作品はそうじゃないか?
速水を堺雅人が演じた。
これが何よりの成功だったと思う。

カラフルな演技で観る者を楽しませる阿部寛や竹内結子らにあって冷たく透き通るような孤高の存在感。

「ジェネラル・ルージュ」の扉が開かれるその時こそ、その真髄を思い知ることになる。

★★★

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パコと魔法の絵本

2008年9月13日公開 監督:中島哲也 キャスト:役所広司、アヤカ・ウィルソン

泣いた。
感動した。
アヤカ・ウィルソンはメガトン級に可愛いかったし、キャラも皆好きだ。

それなのに映画として肯定する要素があまりない。
おれはこの作品が好きなのか、嫌いなのか。
実はそれすらもよく分からない。

そもそも中島哲也に映画を撮るのは無理だったんだ。
その片鱗は『嫌われ松子の一生』からあった。

いや、待てよ?
これはディズニー映画!?
この際、劇場に3D眼鏡とか用意して飛び出す映像で楽しませてくれ。

綺麗なお花畑を踏みにじる悪魔と妖精のように舞う天使。

メルヘン♪

心が洗われる。
これほどまでにカラフルで騒がしい癒しは初めてだ。

繰り返しの毎日も、彼女には新鮮で
心が…
眩ゆい光に包まれる。

彼女に魔法をかけたのは誰?

人に光を見せることができるならそれは魔法なのかもしれない。

ディズニーランドは夢の国。
中島哲也はついにその神域に手を伸ばしてしまった…

★★☆

TSUTAYA   Amazon

人のセックスを笑うな

2008年1月19日公開 監督:井口奈己 キャスト:永作博美、松山ケンイチ

あまーい恋に魅せられて
ゆるーいムードに魅せられて
不思議な魅力に魅せられて
役者の演技に魅せられて
松山ケンイチに魅せられて
蒼井優に魅せられて
忍成修吾に魅せられて
永作博美に魅せられて
永作博美に魅せられて
永作博美に魅せられて
永作博美に魅せられて

ダメだ
ここまで自由だと憎めない
観ているおれまで愛おしくなる

すべてが霞んでく
そして膨らんでく
膨らんでは霞み
霞んでは膨らむ

真の快楽とは?
魅せられたのはセックスではない
空気が…

やんわりと

でも気持ちは嵐のように高まって

ユリの前ではすべてが敗者に見える
「人のセックスを笑うな」
ずっと追いかけるんだ
募る想いを生き様に変えて
こういう幸せもあっていいんじゃないか?

あくまでもここだけのおはなし…

★★☆

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殯(もがり)の森

2007年6月23日 監督:河瀬直美 キャスト:うだしげき、尾野真千子

これほどまで様々な緑を表現した映画作品がかつてあっただろうか。

生と死というテーマを通じて、死に去った者と生き残された者の心の繋がりを緑の中に描く-

大切な人の死を「忘れろ」というのは簡単です。
でも実は死者への想いに忘れる忘れないも正解はないんです。
過去に亡くした妻の思い出だけが心の中で美化され続ける認知症のしげき。
子どもを亡くした悲しみと責任を背負い続ける介護福祉士の真千子。

忘れる忘れないの正解はないとは言いました。
ただふたりにとっては死者はまだ生きているのです。
そんなふたりを殯の森が包んでいく。
深い緑に吸い込まれていくように。

沈黙。
静寂。
囁く。
追いかける。
見守る。
叫ぶ。
寄り添う。

離れていくしげきを引き止めようと叫ぶ真千子は、まるで過去を解き放つ鬼神の如く-

思えばあの宮崎駿が彼の集大成となる『千と千尋の神隠し』で描いた世界も、日本的な神々が宿るような神秘的空間でした。

そして河瀬直美流の終着は亡くなった者と一体になるその瞬間-

殯 ~もがり~
敬う人の死を惜しみ、
しのぶ時間のこと
また、その場所の意、、、

★★☆

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虹色★ロケット

2007年1月4日公開 監督:伊藤峻太 キャスト:松永祐佳、平山みな美

製作当時、高校生だった生徒たちが学校から道徳の映画作成を依頼され、”命”をテーマに映画を作り、それが多くの絶賛と支持を得ることで劇場公開となってしまったという異色作。
脚本、撮影、演技、音楽に至るまで自分たちで作り上げ、制作費はなんとたったの8000円だったという。

どれほどのものか確認してやろうと軽い気持ちで観たのだが…

ぶったまげた!!

粗削り感は否めないが、教育テレビばりのテーマ主張と、オリコンの上位にランキングされても全く違和感ないくらいの音楽、何より作品から漲るエナジーと斬新さが半端ない。
特異な発想と強烈な個性は自分の中にあったくだらない映画の概念をぶち壊してくれた。

どうです?
観たくなったでしょ?
映画を観ようだなんて構えなくていいです。
ただ生きる上で大切な何かを感じ取るために観てほしい。

この粗削りさ、素人臭さが青春というものとマッチして…
漲るパワーが肥大して溢れ出すような…
それはまさにロケットが地球圏から宇宙に解き放たれるような…

未知なる可能性は虹のようにカラフルな未来を予感させます!

★★★★

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虹の女神 Rainbow Song

2006年10月28日公開 監督:熊澤尚人 キャスト:市川隼人、上野樹里

この世界には空があるから
記憶は鮮明に蘇る
懐かしさは切なさを増長させ
不思議な虹は秘められた想いを映し出す

いまだにその答えを探してる
それは失って気付くもの
わかっていたはずなのに

恋をする度に
また君を探すだろう
失恋する度に
また君を探すだろう
いつまでも
奇跡を信じて

空から流れた雨の後
そこに映るは奇跡の虹

今はっきりと
会いたいヒトがいる
素直になれないふたりの
ふたりだけの虹

あの虹を見る度に
また君を求めるだろう
もしも地球が滅ぶなら
また君を求めるだろう
いつまでも
奇跡を信じて

空が流した涙の跡
そこに映るは女神の指輪

いまだにその答えを探している
それは失って気付くもの
それは決して開かない心の鍵

だから答えを探してる
答えはもう出ているのに

記憶は消えないから
心の虹は消えないから

ただ奇跡を信じて

起こることのない
奇跡を信じて

★★★★★

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夜のピクニック

2006年9月30日公開 監督:長澤雅彦 キャスト:多部未華子、石田卓也

夜道を散歩するのは好きですか?
僕は比較的ひとりで行動する方が落ち着く性格ではあるのですが、恥ずかしながら夜道を歩くのはどうにも苦手で…

でも皆でなら!

冷たい夜を越えれば必ず希望の朝が待っている。
明日に希望を求めることができるなら、どんなに辛い夜だってきっと越えられる。

ピクニックの準備をはじめよう。
期待と不安が入り交じる。
それぞれの思いが交差する。

意識したくないのに意識してしまってた。
それを隠すためには避けるしかない。
あるある!
そんなやるせない経験、ある。
でもこれを機に何かが変わるかもしれない。
いや、変えられるかもしれない。
それが歩行祭!

青春の形は各々だけど誰もが何かしらの光を求めているはず。

『ピクニックの準備』から観た方が確実におもしろいと思います。
やっぱり歩行祭は皆が主役だから。

ジュンスカのあのナンバー、聴きたくなってきたww

★★★

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かもめ食堂

2006年3月11日公開 監督:荻上直子 キャスト:小林聡美

ゆるい映画はお好きですか?
ようこそ、かもめ食堂へ。
思わず立ち寄ってしまったよ。
この映画を観てるだけでそんな気分。

日本といえば?
ニャロメ。
ガッチャマン。
おにぎり!!

居心地が良すぎる。
夢のような世界。

幸せな空気の匂いに囲まれて。
真心で料理も空間も好きになる。
行きたいなあ。
行ってみたいなあ。
ヘルシンキ、そしてかもめ食堂。

どんなに悲しいこと辛いことがあってもここに来れば浄化されそう

僕は安らぎを求めてます。
小林聡美に「いらっしゃい」って言ってもらえたらそれはもう…(#^.^#)
ヘルシンキに抱いてしまった夢。
そこでコーヒーを飲んでのどかなひと時を。

さあ、お金を貯めていざ、フィンランドへ!

★★★☆

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あらしのよるに

2005年12月10日公開 監督:杉井ギサブロー

シェイクスピアの『ロミオとジュリエット』は
生まれ育ちが異なるためにできた壁が愛に立ちはだかる物語

あらしのよるに
君に出会った

嵐に生まれた夢だから
嵐のような試練が-

大いなる過去を捨てて
求めた未来には
きっと希望の大地が広がる

君がいるから
君と一緒にいれるから
たとえこの身が果てたとしても
君と見た希望で
君と歩んだ道だから

合言葉は
「あらしのよるに」

満月は照らしてくれる
そして2つの魂が
光に包まれる

★★★

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スクラップ・ヘブン

2005年10月8日公開 監督:李相日 キャスト:加瀬亮、オダギリジョー

テツと出会い、世間に対する敵意に共鳴し、そこにはびこる真の悪を掘り出し、こらしめる道理に正義感と爽快感を覚えた主人公のシンゴ。

しかしテツの本性が明るみになってくるにつれ、それが歪んだものであることを自覚してゆく。

結局、理想は現実に勝てないのだ。
世の中の制度は矛盾だらけで、負け犬を作り出す。
そして負け犬は想像力が足りないから組織の力に屈するだけなのだ。
でも社会には組織としてのルールがあるからバランスが保たれていることを忘れてはならない。
結局、俗に言う正義とはルールに乗っ取った上であることが前提なのだ。

ただ頭では分かっていてもふと考えてしまう。
正しいけど何も動かせない正義。
法を犯しても悪に立ち向かうヒーロー。

「想像力が足んねえんだよ」
「それそれ!想像力があれば俺も世の中も、もうちょっとマシになってるはずだと思うんだ」

これは正義感を振りかざすだけで何も動かせない現実的な正義に対する李監督の挑戦なのかも。

しかし勇気がなくてヒーローになり損ねた男は、歪んだ正義感を勇気と勘違いし、世間に見放された女の前で、ヒーロー気取りすることしかできなかったというのが現実である。

絶望と恐怖に支配されるバスジャックというシチュエーション。
秘密で何でもできる気がする便所という空間。
世界が変わる感覚は閉鎖的にしか味わえないもので、あとは葬ることすらできない憤りを味わうだけだった。

★★★★☆

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空中庭園

2005年10月8日公開 監督:豊田利晃 キャスト:小泉今日子、板尾創路

『蛇イチゴ』という映画があります。
家族間の嘘を巧妙に描いた映画です。
個人的大傑作映画です。

では家族間の嘘を豊田利晃が描くとどうなる?
コワい!
女がコワい!!
小泉今日子、迫真の女優に!
歪む本能。
母に対する復讐?
「思い込んでると、本当のことが見えない」
計画が思い通りに進めば進むほど崩れた時のダメージがデカイ。

でも本当に崩れてるのは計画?

真実なんて知らない方が良いことの方が多いのかもしれない。
そこは『蛇イチゴ』ともブレてない。

家庭とは何?
じゃあ家族とは何?
ぶれてる。

愛に飢えた獣…
作りものの愛なんて脆いもの。
母の愛、真の愛を理解した時、彼女は血の雨に打たれた。

真の愛はある。
ラストシーンは光が広がって…
闇を包み込んでいった。

★★★☆

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運命じゃない人

2005年7月16日公開 監督:内田けんじ キャスト:中村靖日、霧島れいか

巧妙な脚本。
複数の物語が交差する作品は最近では珍しくない。
しかしこの映画はその最高峰だ。

5人の主要キャラが3つの物語で交差する。
ひとつひとつのストーリーが裏のストーリーを観ることでよりおもしろくなる。

心にのしかかる重い言葉も、心に響く素敵な台詞も、不自然な態度も、全ての事象には何らかの裏付けがある。

3人の男を主人公としてそれぞれのストーリーを展開。
そしてそれがパズルのピースのように組み合わさっていく。

パズルは好きですか?
とびっきりミステリアスなパズルもいいけど、パズルなんだからやっぱり楽しくなきゃ!

10人に感想聞いたら9人はおもしろいと答えそうな…そんな映画です。

人を騙す行為って相当大きな十字架背負ってこそ生まれる行為なのかも…

★★★☆

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パッチギ!

2005年1月22日公開 監督:井筒和幸 キャスト:塩谷瞬、高岡蒼甫

弱者である朝鮮人をあたかも強者として描くことで、あえて朝鮮人への敵意を煽って見せた。
そう、日本人は朝鮮人にボコボコにされるのだ。
これで「日本が被害者」で「朝鮮が加害者」という感情を植え付ける。
この時点で観る者によってはこの映画に敵意の感情を向けるだろう。
しかしその裏には更なるテーマの発展がある。

戦わせることで心が通い、そこから発展させる。
これが『パッチギ!』であり、井筒流なのだ。
正直僕は井筒監督があまり好きではない。
しかし『パッチギ!』に魂を揺さぶられ、改めて振り返ると、井筒監督は映画を撮るのが抜群に上手い。
いや、ガキの立場から社会を見せるのが天才的に上手い。
そしてその対象こそ、不良学生なのだ。
社会という名の世界を支配しているのはやはり大人である。
それをまるで不良学生こそが支配者であるかのように描く。
そこから導かれるテーマとは?
彼らが大人の階段を上り、その青春に終わりのある事を暗示しているのだ。
ガキらしく、弾けるような美しさを強烈なインパクトで描きながらも、結果的に彼らが一生懸命大人へと旅立って行く姿をとっておきの応援歌で送り出すのである。

そして同時に朝鮮人が朝鮮人を殴り、日本人が日本人を殴った時、対立の炎が消化された気がした。
ここに感じた敵対する面々の鮮やかなまでの融和こそが、テーマの発展に成功した証であると考える。

♪あの素晴しい愛をもう一度
♪あの素晴しい愛をもう一度
(作詞:北山修)

★★★★

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1リットルの涙

2004年10月9日公開 監督:岡村力 キャスト:大西麻恵、かとうかず子

『1リットルの涙』は実はドラマ化より前に映画化されていたことをご存知でしょうか。

こちらは脚色に凝らず、ドキュメントタッチに描かれてます。
その演出も手伝ってあまりにもリアルに響いてくる-

僕はドラマの沢尻エリカの方がいいかも。
なぜかというとこの大西真恵の演技はリアルすぎて痛々しいから。
そう、演技力があまりにも凄すぎて演技の域を越えてしまっているんです。

ドラマの沢尻エリカでも十分なレベルだったのにこの迫真っぷりはまるでホンモノ。
症状が進めば進むほどハマってくる。
これほどの女優が埋もれてしまうのはもったいないです。

しかしただ痛々しさに目を奪われてもどうしようもないので前向きに見ましょう。
家族にも病院にも高校生活にも養護学校にも人の温かさが詰まっていた…
そう、失うばかりじゃないんです。

些細なことが辛くて悲しい分、些細なことが嬉しくて幸せで。

人の役に立ちたい。
小さなことでも嬉しくて涙が出る。

何のために生きていくのか、それを示してあげること。
先生は残酷でも真実を伝える。
受け入れなくては前を歩けないから。
泣きたければ泣けばいい。
1リットルでもそれ以上でも涙を流せばいい。
きっとその分、笑えることもあるから。

★★

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スウィングガールズ

2004年9月11日公開 監督:矢口史靖 キャスト:上野樹里、平岡裕太

『ウォーターボーイズ』の矢口史靖が今度は女の子で青春を描いた-
躍動する娘たちを見ていると、こっちまで元気をもらえます。

二番煎じであることは否めません。
しかしここまで肯定できてしまう二番煎じはなかなかありません。
この監督の驚くべきところは、練習に打ち込んで
苦難を乗り越えるシーンをコメディータッチに描くところ。
“夢を掴むために励む努力は涙の布石にする”
という青春ドラマの鉄則を嘲笑うかのような逆らいっぷり。
【練習=辛い】というイメージを
【練習=楽しい】というイメージに置き換えてみせたのです。

同じ努力をするなら楽しく努力しようという手法は
若者の性質にマッチしてしまったということでしょう。

冒頭で青春を強調したのですが、
この作品、青春映画と呼ぶ前にエンターテイメント映画と呼ぶべきかもしれません。

出演者たちはおそらくとてつもなく苦しい努力をしています。
素人が吹き替えなしで楽器を演奏しているのですから。
画面上からは廃除した厳しさを出演者には課すことで、
努力の跡は彼女たちの演奏から滲み出て
我々はそれを無意識に感じ取るのです。

ジャズ音楽はイメージ的に大人の音楽です。
そこに若者が挑戦することで、
少々荒くてもエネルギッシュなジャズという新感覚が…
いや、ほんと音楽って素晴らしいですよね。

★☆

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誰も知らない

2004年8月7日公開 監督:是枝裕和 キャスト:柳楽優弥、北浦愛

誰も知らない。

けどそれを僕は知ってしまった。

子が親を裏切ることはあっても、親が子を裏切ることはないと勝手に想像していた。

しかしそれは空想であるという現実を叩きつけられた。

決して裏切らないのは子供の方であり、それを大人が投げ出すのだ。

信じるに値しない希望でも待ち続けるのは子供たちの方で…

誰も知らなくてもいいのだろうか?

少なくとも知ってしまった僕は、何かを伝えなきゃいけないのではないだろうか。

子供の希望を断ち切っているのは大人であるということを-

★★★☆

TSUTAYA   Amazon

APPLESEED

2004年4月17日公開 監督:荒牧伸志

『攻殻機動隊』の士郎正宗原作の超ハイクオリティー映像アニメ。
プロデューサーには『タイタニック』のCGアニメーターであり『ピンポン』の監督、曽利文彦。
そのクオリティーは約束されたようなもの。

ただならぬアクション映像。
実写顔負けの臨場感。
躍動する音楽。

聴いてください。
Boom Boom Satellitesの「DIVE FOR YOU」
これをライブで聴いた僕はその名の通り、ダイヴしちゃいました。
野外でのそれは、カラダが浮き上がったその瞬間から大袈裟に言えば雲を泳ぐ感覚でした。

しかしその雲は決して穏やかなものではありません。
熱く燃え上がる汗が蒸気となり形成されたような…
そして激しく雷を打ち鳴らす。
疾走せよ!!
映像と音楽が融合する。

Basement Jaxxを始め、Akufenや坂本龍一ら名だたる面々が激しく鼓動を打ち上げる。
ビートはバトルの躍動を押し上げ、鼓動は緊張を膨張する。

運命はいかに!?
賛否両論あるだろう。
SF映画としてはマニアックすぎる。
しかし僕には理解を越えようが関係ない。

「DIVE FOR YOU」はロックだった。
それも飛び切り未来を感じる。
この映画そのものじゃないか。

★★

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美しい夏キリシマ

2003年12月6日公開 監督:黒木和雄 キャスト:柄本佑、原田芳雄

緑と田園風景に悲劇の余韻…
映像美はのどかな音楽と共に。
沖縄、銃声、歌声、風、ピアノ。
ああ、これが…

少年は死に場所を求めていたのか?
柄本明の息子・柄本佑の鮮烈なデビュー。
何より監督の黒木和雄が自らの体験に基づいて表現したらしく、少年の目線なので戦争映画の視点としてはかなり庶民的に描かれているのが興味深い。
それが戦争に対して第三者的な距離を保たせている。

しかしそこには人が人であり続けようとする死線的な情念が漂い、僕はそこに圧倒されてしまった。

戦争映画ではあるが、空襲があるわけでもなく食糧難というわけでもない。
戦争とはいえ、人々は生活のために日常を過ごなさなければならないのだ。

少年に灯った炎は天皇やお国のためという大儀ではなく、純粋に親友の敵討ち。
親友を救えなかった後悔。
そしてその親友の妹へのせめてもの罪滅ぼし。

霧島は生きてる!

すなわち
霧島が死ぬ。
人が壊れる。
夢が崩れる。
心が壊れる。

戦争反対!!

★★★

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幸福の鐘

2003年11月22日公開 監督:SABU キャスト:寺島進、西田尚美

歩いてる。
成り行きにまかせて…

周囲は目まぐるしく動いているが、自分は何も変わらない。
なぜ人の死に遭遇する?
哀しいことなのに哀しさが解らない。
そしてそれが幸福を運ぶこともある。
それでもただひたすら歩く。
この男の人生って何?

何かを手に入れても使い方が分からない?
でもこの男と出会い、死を目の前にした者たちは皆どこか少しでもあたたかい気持ちになっているのでは?
でもまあそんなことはどうでもいいし全く関係ない。
この男がどう感じたか。
意味があるのはそれだけだ。

落ちるとこ落ちたら星空があまりにも綺麗だった。

おれがこの映画とシンクロする瞬間!

伝えたいのは言葉じゃない。
大切なのは自分の居場所があるかないか。
そこに幸福の鐘が鳴り響く。

★★★☆

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赤目四十八瀧心中未遂

2003年10月25日公開 監督:荒戸源次郎 キャスト:大西滝次郎、寺島しのぶ

寺島しのぶの鮮烈な本格映画参戦。
【母の富司純子が「もしもあなたが、こんな映画に出るんだったら私は自殺します」と言えば、娘の寺島しのぶは、「もしもこの映画に出られなかったら私は自殺します」と言った】というエピソードも残っている。

主演は大西滝二郎。
不自然さが様になる演技とそれを引き立てる演出に凄みを感じた。
そう、不自然さが逆にリアル。

これは小説を書けなくなって尼崎に流れてきた内気な男の物語なのだ。

自分を見つめ直すわけでもなく、ただただ息を潜めて生活するのみ。
そんな男にだって出会いはあり、嫌でも人と接する。

そして女は男に興味を持つ。

生きるために仕方なく働く。
それは皆変わらない。
希望の見えない日常…
いや、どん底な日常。

「この世の外に連れてって!」

その叫びが意味するのは?

生きる勇気もない。
死ぬ勇気もない。

ただ変わらずアマは存在し続けるのだ。

シュールすぎて一般ウケはしないだろう。
どちらかといえば評論家ウケを狙った作品だろう。

2時間40分もの長い映画だが、蝶が舞い、それを追い掛ける姿に変化はなかった。

そう、結局何も変わってないのだ。

★★☆

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青の炎

2003年3月15日公開 監督:蜷川幸雄 キャスト:二宮和也、松浦亜弥

『青の炎』は自分には珍しく原作から入った作品です。

完全犯罪に挑む少年のストーリーで、主人公が犯罪者ながら感情移入しやすい、よくできた小説だったと思います。

果たして映画は?
まず主演の二宮和也の演技!
こいつが凄いです。
特にあの目!
彼、瞳で演技できます。
ジャニーズって概念があるから甘い評価になっているかもしれませんが、演技は演技力だけじゃない。
眼光、揺らぎ、更には息づかい。
ニノが見せた、あの表現力に脱帽しました。

あややについてはノーコメントで・・

ただこの映画、原作を見ていない人に理解できたのでしょうか。
ニノの表現を称えつつも、どうしても原作を読んでいるから細かい心理描写が見えるところもあり、そこが見えないと面白さが半減してしまうのでは?
と疑問があります。
この作品の面白さは心理描写によるものが大きいですから。

個人的には原作を先に読んでいた分、物足りなさを感じてしまいました。
家族は文句なかったのですが。
学校がどうもしっくりこなかったというか…
やっぱり紀子が引っ掛かったな。
キーパーソンなだけに。。

原作を読まずに映画を観た人の感想を聞いてみたいものですね。

でもほんと、二宮くんVERY GOOD!!

★★★

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アカルイミライ

2003年1月18日公開 監督:黒沢清 キャスト:オダギリジョー、浅野忠信

暗い、重い、何となく現実的。
明るい未来?
暗すぎないか?
仕事、ニート。
対人、犯罪。
親子、他人。
夢、現実。
信頼、裏切り。
なにもかもが表裏一体。

クラゲが世界を映し出す。
社会に毒を撒き散らす。

それが開放されたその時…
その美しさの虜になる。
叫ぶオダギリジョー。
沸き上がる衝動。

これこそアカルイミライ!?
心を開け!

守はその名のとおり、雄二を守った。
今を生きて、未来を生きろ!!

「ほっとけないよ!」
親父は息子を理解することができるか?
そして若者は現実を理解することができるか?
類は友を呼ぶ。
馬鹿は馬鹿を呼び、光は光を呼ぶ。

ミライは本当にアカルイのか?
アカルイミライとは何だったのか?

その答えはたぶん映画では出せないものだと思う。
若者が今を生き、未来を生きて感じるしかない。
『アカルイミライ』はただその道を示すべく生まれた映画のような気がします。

★★★

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Dolls

2002年10月12日公開 監督:北野武 キャスト:菅野美穂、西島秀俊

テーマは愛!
あまりにも深い愛!
更には日本的美しさを最大限に映像化して表現されてます。

現実味が薄く、共感は得られにくい気も確かにしますが、お伽話くらいの気持ちで観ると入りやすいかもしれないです。

深すぎる愛のストーリーはおおよそ絶望や恐怖をを予感させるもの。
そこは定石どおり。
ただし見せ方が違う。
三つの観点から失意を描き、特にメインの菅野美穂に関しては最初から絶望を見せているんです。。

幸せな過去はエピソードでしかない。
ひねくれた捉え方をすれば思い出は空想でしかないのです。

しかしそこに描かれる愛は純愛であり、愛の描き方は究極なのです。

愛は誰しもの心に存在するもので、そこは何かしら共感できてしまうもの。

だから非現実的であってもこの映画の深さ、切なさは感じ取れてしまうはず。

それにしても映像が美しい。
あまりの色彩美に死をも美しく感じてしまうかもしれない。
でもそれは愛を貫く美しさでもある。
そう思いたいです。

★★★

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クロエ

2002年6月15日公開 監督:利重剛 キャスト:永瀬正敏、ともさかりえ

睡蓮のつぼみが宿る・・
流星は、その輝きが一瞬だからこそ美しさが引き立つ。
彼女はプラネタリウムでは得られない輝きを放っていた。

幸せ溢れる小さな部屋。
差し込む光がまた美しい。

しかし我々は思い知ることになる。
「これは救いのないラブストーリーなのでは・・・」と。

メルヘンチックな恋が悲恋として淡々と進んでいく。
その淡々さが地味に痛さを感じさせていく。
花は華やかで祝う存在にもなるが、忌むべき存在にもなる。
その矛盾こそがこの物語を象徴している。
少しでも長く一緒にいたい。
そのために働けば働くほど、二人の時間は失われていく。
その行き着く果ては?

睡蓮の花があまりにも美しすぎて・・・
涙と嘔吐・・・
悲しさと憤り・・・

★★

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自殺サークル

2002年3月9日公開 監督:園子恩 キャスト:石橋凌、永瀬正敏

あなたは、あなたとの関係を、修復しに来たのですか?
あなたは、あなたとの関係を、切りにきたのですか?
あなたは、あなたに関係のないあなたですか?

あなたは、関係できますか?
わたしと、あなたのように。
被害者と、加害者のように。
あなたと、あなたは、あなたの、恋人のように、関係できますか?
あなたは、あなたの関係者ですか?
あなたは、あなたに求められていますか?

雨が乾くと雲になる!
雲が濡れると雨になる!

まるで終わりなき自問自答の旅のよう。
自分と向き合うことへの限界を知らしめたいのか?
しかし人間の死に結び付くほどの絶望はそんなものではない。
カリスマの導きが必要だ。
カリスマとは?
まるで果てしない自問自答のよう。
感化されてゆく…

すべてのわたしはわたしである。
いつものわたしではないわたしもわたしだ。
わたしはわたしに関係するわたしなんだ。
雲も雨も同じ。
わたしとわたしも同じ。

たどり着いた「わたし」にもきっとラストステージは用意されているだろう…

★★

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ウォーターボーイズ

2001年9月15日公開 監督:矢口史靖 キャスト:妻夫木聡、玉木宏

スポーツドラマとはいえ、熱血というよりは無気力で意気地のない高校男子の物語。

高校3年になる5人が、ひょんなことから文化祭に有料でシンクロナイズドスイミングを披露することに。
文化祭までの日程はきつい。
当然ガールフレンドには内緒にしておきたいお恥ずかしい事実。
しかしやり遂げなくては男ではない。
その集大成がプールというエキサイティングな場で展開される。

そんなクライマックスの感動への期待感がシンクロするかのようにストーリーは展開される。
何より新鮮だったのがスポ根ものなのに軽やかで汗くさくない。
その軽さが心地良い。
振り返れば厳しい練習シーンがほとんど描写されていないのだから。
『スウィングガールズ』もそうだけど、きっとこれが矢口流なのです。

スポ根ものは熱くあるべきだ!という古風な考えの人には合わないかもしれません。
しかしこのようなスタイリッシュなスポ根ものを開拓した功績には賞賛の気持ちで一杯です。

★★☆

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ディスタンス

2001年5月26日 監督:是枝裕和 キャスト:ARATA、伊勢谷友介

大量殺人を犯したカルト教団信者の遺族の話。
ドキュメンタリっぽく映画を撮る手法が独特な空気を作り出す。
是枝監督ってかなりの奇才だと思います。

音楽はないし役者を目立たせるような映画でもない。
映画として地味な部類のようにも感じるが、なぜか心にしっかり残る。
妙な重苦しさが残るせいだろうか。
謎めいたところがいいのかもしれない。
つーか結局ARATAは何者なの?

自分の観た是枝作品で最もインパクトが薄い。
でも最も是枝裕和を感じられる作品ではないかと思います。

一度観ただけでは解らない。
観る度に解釈が広がっていく。
私はこの独特な謎めいていく感覚が好きです。

余談ではありますが、Dragon Ashの『百合の咲く場所で』を聴くといつもこの映画を思い出します。

★★☆

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EUREKA(ユリイカ)

2001年1月20日公開 監督:青山真治 キャスト:役所広司、宮崎あおい

単純な感想。
[無駄に長い]+[静寂過ぎて眠い]=[最後まで見るのが辛い…]
これほんと正直な感想…

更にセピア色で撮ったことで眠気倍増。
観るのにすごい覚悟が必要です。
しかしさすがは青山真治。
確かに長すぎる感は否めないですが、映画らしさ、特に日本映画らしさが滲み出ているといいますか、「ならでは」なのです。

痛みの中で生きること、それでも生きること、それを役所広司が表現することで大人の映画という色をより強く出せている気がします。

そして白状します。
僕は宮崎あおいの大ファンなのであります。
切なさとかわいさを持ち合わせ、時折見せるミステリアス感も本作では幼さ混じりに存分に発揮してくれちゃってます。

評価の高い作品ですが、周りに奨めるのには勇気がいると言いますか…
やはり自分としては冒頭に述べた「無駄に長い」というのが強いですから。

周りの人は傷つけることを恐れるけど、当の本人は前向きに生きようとしているもの。
その方向を間違うかもしれない。

「生きろとは言わない。死なないでくれ。」

それは痛みを知る者の言葉。

セピア色がカラー映像に変わる演出はまるで心の開放のようでした。

★★

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